管理人の旅行記 2002年8月浦臼


●坂本家ゆかりの地『浦臼』

札幌に住んでいながら、恥ずかしながら今回始めて浦臼の郷土史料館へ行ってきました。正直言って、たいした物はないだろうと思い、坂本家のお墓参りが当初の目的でした。


■■■■ 浦臼郷土史料館 ■■■■
浦臼と言っても、北海道以外の方には馴染みがないでしょうが、札幌から車で2時間以内という場所にあります。
何で今まで行かなかったかというと、龍馬に興味のない家族を連れて行くには、あまりにも周りに立ち寄る施設がないんです。それで、嫁さんと子供が里帰りしている時でもないと、とても行けません。それに、ここは12月1日〜3月31日までは休館なんです。ということは、基本的に冬休みと春休みは無理なので、夏休みということになります。ところがその時期の休日は、私のもうひとつの趣味であるフライフィッシングに当てる日と、10年前から決めているのでした。しかし、この日は浦臼へ行くことを決意しました。天気が良かったので、最後までやっぱり釣りにしようかと思いましたが、何とか午前中に出発...

「何で龍馬のページで北海道の浦臼なんだ」と思われる方も多いでしょう。この地は、龍馬の長姉千鶴の次男である坂本直寛が入植した場所です。直寛といってもピンとこないかもしれませんが、後に「竜馬がゆく」でもお馴染みの春猪の娘(鶴井)と結婚し、龍馬の兄権平の家を継いだ人であります。
浦臼に郷土史料館があるというのは知っていたのですが、インターネットで検索しても「龍馬ゆかりの・・・・」というようなフレーズばかりが出てきて、実際に何を展示しているのかもわかりませんでした。あまり期待もせずに1時間45分のドライブ、運転があまり好きではない私にはちょっとだけ苦痛の時間でしたが、ラジオの話題が結構面白かったので、何とか気がまぎれました。
昼過ぎに到着したのですが、何と小さな史料館なんだというのが正直な気持ちでした。まあ、入場が無料という施設なので、もともとそれほど期待していたわけではありませんでしたが.....
入口に入ってすぐに、自由民権運動の武市安哉と坂本直寛の写真を発見したので、館の方にお断りをして早速写真撮影。
とりあえず、郷土史料館に敬意を表し、資料をゆっくりと読み浦臼の歴史を勉強。(^_^;)
一回りしたのですが、龍馬関係のものがないのです。「あれっ」という気持ちと「やっぱり」という気持ちがグルグル回っていたのですが、その時、二階もあるのに気づき一安心.....とりあえず、階段を上がってみました。

10坪程度の中二階といった造りです。上がってすぐのところのガラスケースに、見覚えのある公文菊遷の掛け軸を発見!!
しかし、幅1.5m程度の小さなケースです。(;_;)
先ほどの「やっぱり」という気持ちが次第に大きくなり、その場で帰りの1時間45分の苦痛をどう紛らわそうかという事が頭をよぎりました。釣りに行けばよかった......
しかし自分の中で、「今日はお墓がメインだ」と言い聞かせ、とりあえずケースの中の資料を読み続けました。幾度となく読んだ文章、このページを作るときに穴が開くほど見た坂本家の家系図などを、「今日一日が無駄だったわけではないんだ!」「こういうことでもない限り、龍馬の基本的なことを書いた文章を読む機会はないんだ!」と自分自身に言い聞かせながら上から順番に読んでみました。(^_^;)


一通り読んで、掛け軸の下あった次のものに気づきました。
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左から「海援隊坂本直の氏名表」「印籠」「さお天秤」です。
「海援隊坂本直の氏名表」は千鶴の長男で、後に龍馬の家督を継いだ高松太郎(坂本直)が陣羽織につけていたものです。説明書きに「坂本○○寄贈」と、坂本直行先生の奥様の名前があるではないですか。本物ですよ!!これにはびっくり!!!
「印籠」は明治23年の憲法発布の日、龍馬の幕末に果たした大きな功績が認められ、ご遺族にご下腸になったもの、「さお天秤」は文政7年(1824年)以来、才谷屋で使用されていたものです。
来て良かった〜! (^^)
感慨にふけること10分間。
いつまでいても仕方がないので、とりあえずお墓へ行くために一階へ降りました。
入ってきたときには気づかなかったのですが、一階の別室に龍馬関連の資料室がありました。何のために、この一時間、一喜一憂していたのだろうか.....(^_^;)

お墓の場所を確認するために、管理人室へ行きましたところ、大変親切に教えてくださいました。ただ場所だけを聞くつもりだったのですが、話に花が咲いてしまい、管理人さんと30分近くも話し込んでしまいました。管理人さん、時間を作って、また行きますよ!



■■■■ 龍馬ラベルのワイン ■■■■
お墓へ行く途中、地元の酒屋「尾花」さんに龍馬ラベルのワインがあるということなので、寄ってみました。白と赤があるそうなのですが、白は売り切れということで、赤ワインを購入。(^^)v
ここでもお店のご主人と龍馬談義をしてしまった。ご主人、お邪魔してすみませんでした。_(._.)_
尾花さんはネットショップも開設されているので、一度ご覧になってみてください。ネットショップ上には龍馬ラベルのワインはありませんが、メールでお願いしたら送ってもらえるかもしれませんよ。



■■■■ 坂本留・坂本直衛の墓 ■■■■
坂本留・坂本直衛の墓へ行ってきましたが、なぜお二人の墓が浦臼にあるかをちょっと勉強してみましょう。


坂本直寛(高松南海男・千鶴の次男・権平に養子縁組)は明治30年に北見のクンネップ原野に農場を開き、翌年の明治31年5月に妻と子供4人を連れて、石狩国樺戸郡月形村浦臼に移住してます。
明治31年11月、坂本直(高松太郎・千鶴の長男・龍馬の養嗣子)が57歳で逝った翌年、直の妻留とその次男直衛が坂本直寛を頼って浦臼に移住し、大正4年まで住んでいました。
ちなみに坂本直の墓は高知の丹中山です。