龍馬はどんな声??  2002/05/07 up 

2002年3月18日、さかさかもとさんから、『竜馬はどんな声をしていたんでしょうか?』というメールが来ました。

 1991年にはじめて高知旅行へ行った時、現地で入手した印刷物に『坂本龍馬の声』のテレファンサービスの電話番号が載ってました。坂本龍馬生誕地前の電話ボックス(現在はありません)から、龍馬の声を再現したテープを聴き、「お〜っ、これが龍馬の声か」と感動したのを覚えております。
さかさかもとさんからの質問で、11年前の記憶が蘇って来ました。私自身も何とかあの声をもう一度聞きたいし、皆さんにも聞いていただきたいと思ったのですが、何せ高知でテレファンサービスをやっていたという手がかりしかありません。悩んでいても仕方がないので、質問のメールを読んだ直後にNTT西日本高知支店にメールで問い合わせてみることにしました。
NTT西日本高知支店担当者様
お忙しいところ恐れ入りますが、御社にお聞きしたい事がございます。
私は坂本龍馬のファンで、個人でホームページを運営しているものです。1991年に高知へ行ったとき、多分、御社でやっておられたテレファンサービスで「龍馬の声」を聞きました。そのサービスは、もうやってないのでしょうか。
もし、やってないのでしたら、何とかテープをお貸しいただくというわけにはいかないでしょうか。

突然のメールで、大変ご無礼とは存じますが、龍馬の声を聞きたいというファンが全国に多くおり、ぜひ、私が10年前に聞いたものを現在の若いファンの方にお聞きいただきたいと思い、メールをさせていただきました。
 思い立って、すぐにメールを送信してしまったため、名乗るのも忘れてしまいました。(^_^;)
何と、その日のうちに広報担当のSさんから返信がありました。「詳細にお調べした後にお返事させていただきます」との事でした。
 翌日、早速Sさんからメールがありました。
NTT西日本高知支店広報担当 Sです
   <中略>
さて、ご質問の件ですが、現在は、同様のテレホンサービスは行っておらず、また、テープなども、残っておりません。
   <中略>
当時を知る担当(ほとんどは、退職をしておりますが)に、連絡が取れ、その際に分かった話ですが、 当時、山梨にある鈴木研究所(正確ではないかもしれません)というところに依頼し、龍馬の声を合成したそうです。
それで、テレホンサービスに限って使うことを前提に制作をした、とのことですから仮に、テープが保存されていても、他の目的に使うことは困難では、ということでした。
   <中略>
何卒ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。
 なんと、たった一日で、退職された方にまで連絡を取って頂き、色々と調べてくださいました。Sさんからの情報で、「山梨」「鈴木研究所」というキーワードがありましたので、これを頼りにネットで検索してみることにしました。
すると、日本音響研究所というところの鈴木松美所長という音声の権威がいらっしゃる事がわかり、最近でもニッセイのCM用に、織田信長と坂本龍馬の声を再現したようです。ニッセイのCMで織田信長がしゃべっているのは見たのですが、龍馬版は見たことがなかったので、ちょっとびっくりしました。
日本音響研究所のHPを見てみると、主な取引先に各裁判所・検察庁・警察庁・警視庁及び各道府県警察本部各国政府機関と書いてあるではないですか...駄目だ、敷居が高すぎる....ここまで糸を手繰り寄せる事ができたのに...
 残念ながら、今回はここであきらめます。NTT西日本のSさん、本当に親切な対応をして頂き、ありがとうございました。

 と、本来ならここでこのページは終わるはずだったのですが、奇跡が起こりました!
私はよく、YAHOOのオークションで龍馬関連のものを買わせて頂いているのですが、最近の有料化に伴い、ずいぶん活気がなくなってきました。そこで「ビッダーズ」というオークションサイトも覗いてみようと思い、「龍馬」で検索してみました。すると、「TARAKOの聴く歴史 ビックリVOICE」というCDが出てききました。
歴史上の誰でも知っている有名人の『声』を絵や写真を元にコンピュータで再現したということです。 収録している声は、メガロザウルス、北京原人、小野小町、千利休、織田信長、豊臣秀吉、真田幸村、モナリザ、クレオパトラ、徳川家康、ベートーヴェン、武田信玄、松尾芭蕉、リンカーン、高岡大仏、楊貴妃、天草四郎、二宮金次郎、坂本竜馬の皆さんです。 状態:並 帯なし
これは神様のお引き合わせだ。_(._.)_
早速、入札!数日後に無事落札!やった〜! (^.^)v

送られてきたCDの解説には、やはり日本音響研究所の鈴木松美氏の文字がありました。CDの内容は、ちびまる子ちゃんの声でおなじみのTARAKOさんが、タイムスとラベルしながら上記の歴史上の人物の声を紹介するというものでした。龍馬はたった40秒でしたが、CDを再生したときは鳥肌が立ちました。
 声の再現は骨格から割り出すらしいのですが、その信頼度はかなり高いと思われいます。というのは、CDのでだしにサンプルとして女優の吉村真理さんと、落語家の桂三枝さんの声がありました。もちろん本人のものを録音したわけではなく、写真から再現したものです。まずこの二人の声を聞き、驚きました。まさに本人のものと変わりないのです。織田信長や徳川家康は肖像画からの再現なので、元の絵がどこまで似ているかによっても左右されるでしょうが、龍馬は写真からの再現です。私は、龍馬の声は、このCDに入っているような声だったと信じております。

モンタージュ・ヴォイス
 人間の声を分析して行くと、周波数の強さにより、人それぞれのグラフが出来る。これが声の指紋、つまり声紋となる。鈴木博士のこの研究と、京都外語大学講師三好氏によって解明された、声と顔付きの違いによる声の個性の違い、つまり人間のもっている先天的な声質が、目から下の骨の構造によって決まるという研究がドッキングしたのがモンタージュ・ヴォイスなのです。
「TARAKOの聴く歴史 ビックリVOICE」より引用

鈴木松美博士
 近畿大学理工学部卒業後、ソルボンヌ大学医学部、米国KAY研究所留学。昭和38年に警視庁通信局に入局、その後科学警察研究所員となり、そのとき担当した吉展ちゃん誘拐事件で、鈴木氏の「声紋」の研究が実を結ぶ。
 『犯人の声が証拠になるんではないか、ということから「声紋」を考察したのです。最初は本当は、声は個性をもっているのだろうか、という疑問があったが、聞いてみれば確かに人それぞれ声が違う。そこでまず1万5千人のデータを集め、その分析にかかった。そして5人まで追い詰め、その5人のなかにその犯人がいたのです。』
 事件の解決が音声研究の基礎となり、その後、FBIからも誘われ仕事に携わることになる。
 現在、日本音響研究所を設立し活躍している。ちなみに、1985年の日航ジャンボ機墜落事故原因究明を始め、大韓航空機撃墜事件、アキノ氏暗殺事件、グリコ森永脅迫事件等の捜査過程で、重要な手がかりとなった音声分析を手掛けて来た。
「TARAKOの聴く歴史 ビックリVOICE」より引用