平成15年1月25日
 龍馬のカステラ  
昨年(2002年)の夏に、掲示板でも話題になりましたが、みぃさんがいつも作ってるという「龍馬のカステラ」に私もチャレンジしてみました。龍馬とお竜は、小松帯刀の勧めで新婚旅行にカステラを弁当に持っていったというのですが、知ってましたか?(^_^;)



【龍馬のカステラって?】

龍馬たちが新婚旅行にカステラを持って行ったということは『千里駒後日譚』に記載されています。掲示板でこの話題が出た時に、竜野天馬さんがレシピを投稿してくれました。その後、Mr.萌咲さんがそのレシピは『雄魂姓名録』にあると教えてくれました。

『千里駒後日譚』(せんりのこまごじつのはなし)は、明治32年11月4日より6日を除いた10日まで、6回にわたって『土陽新聞』に連載された川田雪山によるお龍からの聞き書きのことです。カステラのことは3回目にありましたので、11月7日の新聞掲載ということになります。
千里駒後日譚(三回)
逆鋒ですが、山へ登たのは田中吉兵衛さんと龍馬と私と三人でした。(千里駒にはお龍が書生を伴ひて登 山し逆鋒を抜き、後ち龍馬に叱られりとあれど事実然らず)小松さんが霧島の湯治に行つて居りまして私等も一処でしたが、或日私が山へ登つて見たいと云ふと、言ひ出したら聞かぬ奴だから連れて行つてやらうと龍馬が云ひまして、山は御飯は禁物だからコレを弁当にと小松さんがカステイラの切つたのを呉れました。
『雄魂姓名録』(ゆうこんせいめいろく)は、文久3年から慶応3年までに書き留められた龍馬もしくは社中・海援隊士の覚え書きことです。
雄魂姓名録(一番最後のほう)
  カステイラ仕様
正味
玉子百目 うどん七十目 さとふ百目
此ヲ合テヤク也 和蘭実
ここでポイントになるのは、「雄魂姓名録」の「カステイラ仕様」です。国語辞典によると「正味」とは、包みなどを除いた目方のことです。「玉子」は鶏卵です。掲示板で、がらしゃさんが「『うどん』はうどん粉では」と書き込まれたましたが、「坂本龍馬進化論」で菊池氏も同様な推測をされてますね。「さとふ」はもちろん砂糖のことです。「和蘭実」は、本当のオランダの作り方だということでしょうか。(これは自信なし)
「百目」「七十目」の「目」ですが、これは「匁(もんめ)」の別称です。一匁はは3.75gですので、これらを考慮すると以下のようになります。
  カステラの作り方
375g
小麦粉263g
砂糖375g
これらをあわせて焼きます。
参考文献:坂本龍馬進化論(新人物往来社、菊地明著)
坂本龍馬全集(光風社、宮地佐一郎)



【再現しよう!】

このレシピで実際に作ってみましょう!

ネットで一般のカステラの作り方を調べてみましたら、水あめや油も使うようなのですが、今回は美味しいカステラを作ることが目的ではなくて、龍馬が食べたカステラを再現することが目的です。できるだけ「雄魂姓名録」の記載に忠実に作りたいと思います。うどん粉ですが、本来はうどん粉とは麺類に多用される中力粉のことらしいのですが、今回はパンや餃子に使う強力粉を使ってみます。焼き型ですが、あるHPに牛乳パックを利用しているものがありましたので、私もこれを使ってみます。牛乳パックだと、上記の分量だとあふれそうなので、今回は下の量で作ることにしました。

【材料】
卵(常温のもの)250g
強力粉(うどん粉)180g
砂糖250g




【道具】
牛乳パックカステラの型です
ハンドミキサーないとかなり辛いです
ボールちょっと大きめを




【作り方1】
卵(常温のもの)と砂糖を入れて10分間程あわ立てる
【作り方2】
強力粉を数回に分け3分程混ぜる
【作り方3】
牛乳パックに流し込む
【作り方4】
オーブンで40〜60分(160℃)焼く
【作り方5】
焼きあがりました
【作り方6】
表面は硬かったので、周りをカットし裏返して完成


味はまずまず。おじさんの私にもできたので、ハンドミキサーとオーブンさえあれば、どなたでも作れますよ。ぜひ、幕末の味「龍馬のカステラ」を体験してみてください。

※私は忘れてしまいましたが、みぃさんの投稿によると「焼き初めは1分焼いて取り出して泡切りのセットを2〜3回くり返す」ことと「砂糖はキビ砂糖が良い」ということですので、お試し下さい。