龍馬関連の小説の感想【龍馬が主人公】

龍馬残影 (文春文庫) (文春文庫 つ 4-49)
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龍馬残影  文春文庫   著者:津本陽 
2000年12月   \400
2024/3/16 up
ためになる ★★★
おもしろい ★★★
いろは丸の事件を、あつかった小説ですが、「竜馬がゆく」のように龍馬ひとりをヒーローにするのではなく、事故相手の紀州藩や船を貸した大洲藩の立場からも公平に書かれています。泥臭い「人間龍馬」を味わえる作品です。
坂本龍馬(山岡荘八歴史文庫)
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時代長編坂本龍馬  著者:山岡荘八 
1983年6月   \1,300
2024/3/16 up
ためになる ★★
おもしろい
小説ですが龍馬の一生を追おうと読むと、しっぺ返しを食らいます。黒船(江戸)から土佐に帰ったあたりまでのお話です。徳川家康を読んだときはスラッと読めたのですが、やはり「竜馬がゆく」と比べてしまうのでしょうか、なかなかページが進みませんでした。(^_^;)
物語と史跡を訪ねて坂本龍馬  成美堂出版   著者:八尋舜右 
1974年02月   \900
1999/12/7 up
ためになる ★★★
おもしろい ★★★
鏡川の雨の水練から近江屋までを平均に網羅した小説。しかしただの小説ではなく、数ページおきに「史跡探訪」と小説にでてきた事件や人物をわかりやすく解説した「スポット」のコーナーがあり、龍馬入門書としてもお勧めできます。


   龍馬関連の小説の感想【もし暗殺されなかったら・・・】

龍馬の明治 (光文社文庫)
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龍馬の明治(上・下)  光文社文庫   著者:中津文彦 
1997年8月〜1998年4月   \781
2024/3/16 up
ためになる
おもしろい ★★★
タイトルは「龍馬の明治」ですが、龍馬が主役の小説と言うより、「もし龍馬が暗殺されていなかったら」「もし戊辰戦争がなかったら」明治政府はどうなったかというシュミレーション小説です。人事の妙というか、政府や軍のメンバーを読むだけでも楽しいですが、あまりにオール豪華キャストのため、一つ一つの事件がぼやけてしまっているようです。全体の流れも各エピソードでもそうなのですが、最初の盛り上がりは楽しいのですが、結末があっけないため少々不満が残ります。

<br><br>竜馬復活 (時代小説文庫 33-4)<br><br>
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竜馬復活  祥伝社   著者:火坂雅志 
1991年3月   \740
2024/3/16 up
ためになる  
おもしろい
− この感想は完全ネタばれです −
「近江屋で殺されたのは竜馬ではなく、よく似た他人であった。竜馬は新政府の財政が苦しいことから、裏方に回り黄金伝説の宝を探しに行く」という設定でスタートする冒険小説です。ナイフ投げの名人である、ハーフの美女と宝捜し。秘密が封じ込まれた4つの水晶の玉。泥棒の相棒。泥棒島へ迷い込む。強盗集団である歌舞伎一団との戦い。ハーフの美女の裏切り。泥棒である相棒の死。アイヌ版アマゾネス。ハーフ美人の帰依。ハーフ美人の父の遺体発見。ハーフ美人の死。同士である薩摩藩からの襲われ、西郷が黒幕と知らされる。あまりにも古典的な展開にはがっかりさせられました。


   龍馬関連の小説の感想【龍馬以外が主人公・幕末明治が舞台】

さなとりょう
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さなとりょう  太田出版   著者:谷治宇 
2017年3月   \1,600
2024/3/16 up
ためになる ★★★★
おもしろい ★★★★★
序盤は緩めでしたが、ページが進むにつれて加速度的に面白さが増しました。登場人物の造形もしっかりしており、この人ならこんな感じだろうと、スーッと頭に入って来ます。歴史・ミステリー・アクションの調和が良く、スラスラ読めます。佐那派の私としては、終章では涙をこぼしてしまいました。こんな結末を用意していただき、著者にお礼を言いたいです。
お龍 (新人物文庫 う 1-1)
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お龍  新人物文庫   著者:植松三十里 
2009年9月   \714
2024/3/16 up
ためになる ★★★
おもしろい ★★★
久しぶりに龍馬関連の小説を読みましたが、なかなか面白いです。龍馬の妻(阿井景子著・ちくま文庫)が悶々としているのに対して、さらっとしてます。お龍の境遇が常に経済状態で説明されており、リアリティーを感じます。お龍が松兵衛を好きになってゆく過程と光枝と松兵衛の戸籍の謎に対しても、面白く、ほのぼのとする解釈です。
おりょう残夢抄
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おりょう残夢抄  PHP   著者:中津文彦 
2001年6月   \590
2024/3/16 up
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おもしろい ★★
おりょうが主人公の小説です。慶応3年11月15日の下関から話がはじまります。龍馬が暗殺されてから、下関、高知、京都、大阪、東京とおりょう自らが犯人を捜し求めます。おりょうがいくら美人だからといっても、あまりにもあちこちで危ない目にあいすぎ。(^_^;)
誰が竜馬を殺したか: 幕末秘史 (カッパ・ノベルス)
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誰が竜馬を殺したか  光文社文庫   著者:三好徹 
2000年2月   \457
2024/3/16 up
ためになる ★★
おもしろい ★★★
明治34年3月、貴族院議員の谷干城が衆議院議長の片岡健吉に呼び止められ、去年でた「近畿評論」に見廻組の今井信郎が坂本竜馬を斬ったのは自分だと語っていると言われた事から物語が始まります。犯人が誰だったかはさておき、維新後の匂いを少し感じながら、龍馬暗殺の犯人探しを読めたのは楽しかったですが、引用される日記などの資料が原文そのままの掲載なので、苦手な方には難しいかもしれません。
龍馬の妻 (ちくま文庫 あ 28-1)
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龍馬の妻  ちくま文庫   著者:阿井景子 
1998年6月   \640
2024/3/16 up
ためになる ★★★
おもしろい ★★★
お竜の小説です。前半は、龍馬が没するまでのお竜の半生を描き、後半はお竜の没落を追っています。特に、ラストの妹光枝と夫西村松兵衛の不思議な関係は、小説とは言え悶々としたものを感じました。著者の後書きで気に入った文章があったので、抜粋します。
小説であれば、(史実が解ったとはいえ)神経質に訂正する必要はないのかも知れないが、りようが実在の人物であるだけに、わかる限り正確を期したいと思った。(阿井景子)
闇の龍馬 (光文社文庫 な 8-6 光文社時代小説文庫)
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闇の龍馬  光文社   著者:中津文彦 
1995年6月   \540
2024/3/16 up
ためになる ★★
おもしろい ★★★
明治12年の大晦日に、元老院議員の中島信行が、土佐の立志社の陰謀に加担したという容疑で仙台監獄に収監されている陸奥宗光を訪ねた。海援隊当時から仲の良かった二人は、話に花が咲くが、中島がある手紙を陸奥に見せた。龍馬が襲撃された数日前に乙女宛に送ったものだ。龍馬が襲撃犯人をあらかじめ知っており、それを乙女に知らせるために、この手紙の中に暗号として書かれているというのだ。二人の会話が続き、維新前の出来事でお互いに話していなかった事実を改めて報告しあう。最後にはある犯人像が浮かんでくる。
幕末に起きた事を丁寧に説明しているので、ある程度龍馬の事を知っていれば、楽しめる小説です。
龍馬慕情
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龍馬慕情  集英社   著者:加野厚志 
1995年2月   \1,650
2024/3/16 up
ためになる
おもしろい ★★★★
久しぶりに、龍馬関連の小説を楽しく読みました。主人公は龍馬ではなく、「おりょう」です。寺田屋遭難から物語りははじまるのですが、私が読んだ中では龍馬とお竜の関係が一番ほのぼのとした小説です。話しが進んで、三分の一くらいで近江屋の事件を迎えます。それからは龍馬暗殺の犯人探しになるのですが、ワクワクする展開です。恋愛小説と時代劇ミステリーが巧くミックスされた秀作です。また、史実としてのお竜の衰退はまったく描かれていないので、ドロドロとしたお竜を知りたくない方にも抵抗なく読んでいただけます。最終的に犯人は断定されますが、あくまでも小説ですので....後で考えると間違いなく創作でも、面白い小説は読んでいて「史実かな??」と思ってしまいますので、念のため。
あとがきの最後の一行が印象的だので、抜粋します。
美女ありき。そして、その行く末はいつも哀しい。
寺田屋おとせ (光文社文庫 と 9-4)
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寺田屋おとせ  光文社文庫   著者:徳永真一郎 
1989年5月   \400
2024/3/16 up
ためになる ★★★
おもしろい ★★★★★
これはお勧めです。タイトルの通り、お登勢が主人公の小説ですが非常に読みやすく、私は「竜馬がゆく外伝」という位置づけをしたいです。途中、多少の中だるみも感じましたが、それも龍馬や幕末の事件のことを知らない読者には必須の内容で、仕方がないでしょう。「竜馬がゆく」の次に読む小説としては、これがNo1かな...
龍馬のもう一人の妻
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龍馬のもう一人の妻  毎日新聞社   著者:阿井景子 
1985年8月   \1,200
2024/3/16 up
ためになる ★★
おもしろい ★★★★
佐那子が主人公の小説です。千葉家に奉公にあがった、よしの視線から佐那子の半生を描いてます。私はおりょうより佐那子の方が好きで、これを読んで司馬遼太郎の佐那よりも人間的な彼女がさら好きになってしまいました。ただ、彼女の事を思うとちょっぴり龍馬が嫌いになってしまうのがつらいです。
坂本龍馬の写真: 写真師彦馬推理帖 (新潮文庫 と 7-1)
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写真師彦馬推理帖坂本龍馬の写真  新潮社   著者:伴野朗 
1984年4月   \980
2024/3/16 up
ためになる
おもしろい
龍馬の写真集だと思って買いましたが、実は写真家上野彦馬が主人公の小説です。7章だてで第1章のサブタイトルの「坂本龍馬の写真」がこの本のメインタイトルにも使用されているので誤解しました。龍馬と言うより、幕末のプロカメラマン「上野彦馬」に興味がある方はどうぞ。
<br>新装版 幕末 (文春文庫) (文春文庫 し 1-93)
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幕末  著者:司馬遼太郎 
1977年1月   \638
2024/3/16 up
ためになる ★★★
おもしろい ★★★★
1977年1月に刊行された「幕末」の新装版で、短編が12編です。海援隊が龍馬暗殺の仇討ちと紀州の三浦休太郎を襲った天満屋事件の「花屋町の襲撃」、吉田東洋と那須信吾の不思議な関係を描いた「土佐の夜雨」、田中顕助の「浪花城焼打」など土佐関係の話も多いです。長州脱藩浪士間崎馬之助の「冷泉斬り」にもちょとだけ龍馬が登場します。とにかくタイトル通り、幕末尽くしなので満足できる一冊です。


   龍馬関連の小説の感想【龍馬以外が主人公・現在が舞台】

竜馬伝説を追え
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竜馬伝説を追え  学陽書房   著者:中村彰彦 
2000年1月   \700
2024/3/16 up
ためになる ★★★★
おもしろい ★★★★
主人公である村中章人が新米編集者増田マリコとブック・ディテクティブという手法で龍馬暗殺の真犯人を推理する、歴史検証小説です。非常に読みやすく、実際に出版されている60冊の本の龍馬暗殺について、矛盾点があるものを消去して真相を解明する手法には、納得させられてしまいます。実行犯に関しては、文句なしの説明だと思います。ただ黒幕に関しては、推理の部分が多いため、文中で作者も「可能性が大きい」という表現を使ってますが、断定は出来ないのかな〜と思います。龍馬暗殺に関しては、まずこの一冊を読まれる事をお勧めいたします。